専門医によるリウマチ治療最新情報

リウマチの治療薬と副作用 リウマチと薬剤と間質性肺炎の関係

リウマチ性の肺炎はあるのか

最近、アラバというリウマチ薬による薬剤性間質性肺炎とされた症例を、呼吸器専門医が解析したところ、かなりの割合でカリニ肺炎を主とする感染性の肺炎が含まれている可能性が高いことがわかってきました。

これらの判別はかなり難しいのですが、本物のMTXによる薬剤性肺炎は、皮肉なことにMTXを中止し、 ステロイドさえ投与すれば非常に治りが良いことが最大の特徴であることがわかっています。(駒込病院グループなどの研究を参照)

私たちのように他の施設の倍量以上のMTXを長年投与してきた結果をみても、過去にMTX肺炎と診断された例はなんと“ゼロ”だったのに対し、カリニ肺炎は4名(全員治癒)もあり、死亡例はリウマチ自体による特発性間質性肺炎(BOOP)の急性憎悪と診断された例が1例あるのみです。

自由が丘整形外科の医師は、常にカリニ肺炎を意識しながら診察しており、迅速に呼吸器専門医の診断を受けることができる環境なのでこういう結果なわけですが、PCRなどの高い診断レベルがなかった過去の例や意識の低い施設ではこれらの多くの肺炎がMTXの副作用のせいにされてしまっているだろうことは容易に予測がつきます。

カリニ肺炎は起きてしまうと死亡率のかなり高い肺炎なので、現在当院では生物製剤投与またはMTX単独でも12mg以上投与の患者さんには全員、予防薬(ST合剤)の投与を行っています。

予防投与を受けた患者さんでは肺炎発症はゼロです。(この辺の詳細については産業医大グループの優れた研究があります。)

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